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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

アドバンスカンパニー認証を目標にしたことで、会社が変わった
林業笠原造園株式会社
林業笠原造園は、道路や公園の樹木管理をはじめ、各種災害復旧工事から、住宅の外構、庭造り、エクステリアの提案・施工まで、造園業を主軸に幅広い事業を展開しています。スローガンに掲げるのは「働く仲間の永続的な幸せを第一の目標とし、お客様から選ばれる企業」。総務部の笠原景子さんにお話を伺いました。
  • 社員の声を聞くことと、自主性に任せることを大事に

    年に1回、個人面談と社内風土アンケートを行っています。個人面談の際には、自己評価シートを用意して、昨年と比べて何か一つ、できることが増えているかを振り返ってもらっています。社内風土アンケートは、3年前に始めました。当初はなかなか辛辣な意見もありましたが、2回、3回と重ねるうちに改善されてきました。会社にとって必要な意見については、担当部署に割り振り、解決策を検討して、きちんと回答を出しています。ほかにも、資格取得や社外研修への参加などの支援、2カ月に1回のペースで社内勉強会も行っています。勉強会は例えば剪定の仕方や公共工事の書類で使う写真の管理方法など、社内教育の担当者が内容を考え、分かっている社員が講師を務め、希望者が参加しています。

    コロナ禍で交流の機会が減ったこともあり、月に1回、誕生月の社員を集めて、お茶とケーキを食べながら役員と話す意見交換会も始めました。全てはコミュニケーションが基本なので、なるべく話ができる場を設けたいと考えています。当社では、回覧ではなく一斉メールで社内連絡を行っていますが、このメールは社員からも送信できるようになっているので、ときどき「登山しませんか?」など、お誘いメールが送られてくることもあります。そこから自主的に集まって開催されるのが「RINKASA会」。登山のほか、スキー、ゴルフ、ボウリングなどさまざまなレクリエーションが行われています。

    総務部の笠原景子さん
  • 一緒に働く仲間にとって幸せな会社にしていきたい

    実は5年ほど前までは、いわゆる「職人集団」のような会社でした。コミュニケーションが苦手な人も多く、約30人の社員の内、女性は約1割。2018年に事業譲渡を受けてエクステリア事業を強化したのを機に、スローガンを新たに掲げ、まずは一緒に働く仲間にとって幸せな会社にするために何をすべきかを考え、少しずつ取り組みを進めてきました。ホームページをリニューアルして会社の様子を発信しながら、働く環境を整えるにつれて、求人への応募が増えてきました。今は3割が女性です。特に現場は拘束時間が長いので、時短勤務制度を整えて、子育てと両立できるようにしています。

    会社を変えようと動き出した頃、アドバンスカンパニーの認証を目標の一つに設定しました。要件について調べ、就業規則の見直し、育児休業の取得促進など、一つ一つ取り組んでいくうちに、社内の雰囲気が変化してきました。当社の場合は「要件に当てはまるから、取得を申請しよう」のではなく、「取得するために、さまざまなことをやっていこう」という発想でしたね。本当にいいきっかけになったと思っています。
    とはいえ、まだスタートライン。私自身、就職氷河期世代で、待遇について疑問を抱きながら働いていた経験があります。特に女性は結婚や子育てで、働き方を変えざるを得ない。そういう現状に寄り添いながら、改善を続けています。この数年で辞める人が減り、今、社員は50人ほどになりました。次の新卒採用で外国人の方の入社も決まっています。男女や国籍を問わず、障がい者雇用も含めて、当社で働きたいという人を増やしていきたいです。