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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

従業員の声から生まれる制度と文化が、働きやすさを育む
松山株式会社
トラクター用などの農業用作業機を製造・販売する松山株式会社。創業は1902(明治35)年。「ニプロ(NIPLO)」ブランドで知られ、国内トップクラスのシェアを誇ります。総務部総務課の課長・中澤明義さん、宮原仁美さん、柴田亜利紗さんにお話を伺いました。
  • 社風の土台にあるのは、労使の信頼関係

    柴田さん
    当社の子育て支援は、2005年に設置した「次世代育成小委員会」から本格的に始まりました。子育て中の社員の声を集めながら制度づくりを進め、育児休業は子どもが3歳になるまで取得可能に。私自身も子どもが2人おり、下の子が2歳になるまで育休を取得しました。また、子の看護等休暇は、子どもが1人の場合と2人以上の場合で取得可能な日数を定め、一部は特別休暇(有給)として利用できます。短時間勤務制度は、小学校4年生に進級する前日まで利用可能となっています。

    宮原さん
    男性社員の育休取得は、2015年が最初でした。男性社員については、妊娠が分かった段階で制度を説明し、取得するかどうかは本人に委ねています。取得者が増えるにつれて周囲の理解も進み、取得率は徐々に上がってきました。
    部署によって取りやすさに差がある点は課題でしたが、近年は営業部でも取得が進み、2025年には男女ともに取得率100%を達成しています。

    中澤さん
    「次世代育成小委員会」設置の背景には、社員の声を丁寧に拾い上げ、制度と文化の両輪で職場環境を整えてきた歴史があります。その根底にあるのは、1947年から続く労使の関係性です。社員のニーズを把握することで、制度や福利厚生の改善につなげてきました。年間休日数の増加に加え、有給休暇の取得促進にも取り組んでいます。
    制度を整えても、実際に利用されなければ意味がありません。「取ってもいい」という意識が職場で共有されているかどうかも大切だと感じます。
    小委員会の立ち上げから20年。文化の醸成には時間がかかりますが、丁寧に継続していくしかありません。環境が整えば、一人ひとりが働きやすさを実感できるはずです。離職率も3%を切る低い水準で推移しており、これも成果の一つと言えるのではないでしょうか。

    総務部総務課の課長・中澤明義さん
  • 社員の声に耳を傾け、職場のつながりと健康を支える

    宮原さん
    3年に1度実施している社員旅行は、海外または国内の複数の行き先・日程を用意し、希望に応じて選べるようにしています。参加は自由ですが、7割ほどが参加しています。
    また、スキーやフットサル、ランニングなどの部活動もあり、こちらも参加は自由です。スキー部の部員が全日本大会で上位入賞するなど、部活動は活発で、大会出場費用の補助などのサポートも行っています。いずれも社員の声や要望をきっかけに生まれ、形を変えながら続いてきた取り組みです。

    中澤さん
    毎年夏に、社員の子どもたちを1日会社で預かり、職場を回って自分のお父さんやお母さんが働いている姿を見たり、夏休みの自由工作を行ったりする「ニプロ林間学校」を開催しています。この取り組みも、もともとは「夏休みに子どもを見ながら働くのは大変」という社員からの声が発端でした。最近は40人ほどの子どもたちが参加し、賑やかな1日になります。今年で17回目を迎え、社内では夏の恒例行事として定着しており、「今年はいつやるの?」という問い合わせもいただきます。

    柴田さん
    今、力を入れているのは健康経営です。産業医などと連携しながら、健康診断の結果分析や保健だよりの発行、各種キャンペーンへの参加促進などに取り組んでいます。健康診断の結果を確認したところ、血糖値の項目が非常に高かったため、血糖値対策につながる軽食、調味料などを全社員に配布しました。この取り組みは反響が良かったため、毎年内容を変えながら実施できればと考えています。
    健康への意識づけは、制度のように強制できるものではないだけに難しさがありますが、まずは楽しみながら参加できる形を工夫したいと思っています。私自身、もともと歩くのが好きではなかったのですが、始めてみると意外と気持ちが良くて、朝のウォーキングが習慣になりました。歩数計測などちょっとしたゲーム感覚でできるものもあるので、一人一人が“自分ごと”として健康に向き合えるような働きかけを継続して行っていきたいです。

    毎年夏に開催している「ニプロ林間学校」
記事公開日:2026.07.13
インタビュー内容、役職、所属は取材当時のものです。