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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

「働き方」だけではなく、より根本にある「風土」を変える
長野日本無線株式会社
ソリューション・特機・ICT・コンポーネント・メカトロニクスの5つの分野で事業展開している長野日本無線。公共インフラや航空宇宙・レーダ、車載用電子部品など多岐に渡って活躍する技術開発型企業です。
執行役員総務本部長の太田伸二さんと人財・総務部長の傳田浩樹さんにお話を伺いました。
  • 時間をかけて皆で話し合うことが、定着につながる

    太田さん
    現在、力を入れているのは風土改革です。働き方というよりは、もう少し根本的なところから変えていきたいという想いがあり、象徴的な単語として風土を掲げました。会社としては、多様な人財一人ひとりが、意欲とやりがいを持って働けるようにしていきたい。そのためにも、会社からの一方通行の取り組みではなく、働いている皆さんが積極的に関与できるように、いろいろな施策を講じています。
    その一つが、従業員サーベイです。毎年アンケートを実施し、その結果を各部署のワーキングチームで共有して、課題解決について話し合います。ワーキングチームは双方向コミュニケーションが図れるような人数で、部署内の各世代、男女比のバランスが取れるように設定しています。普段考えていることや身近なこと、今の悩み、どうしたら職場環境が良くなるかなど、話題はさまざま。開催するペースも各部署に任せています。

    傳田さん
    皆で話し合うと時間はかかりますが、そうしないと定着は難しい。そもそも風土なんて、簡単に変えられるものではありません。課題について皆で考えて、「こうすれば解決につながるのではないか」と何かを始めてみることが第一歩です。実際に、1年でクローズするものもあれば、数年かかるものもあります。その辺りは現場に任せながら、いい取り組みについては社内で広く共有していければいいと思っています。
    当社は社員の平均年齢が少し高めということもあり、世代間のギャップの解消も課題の一つ。シニア世代の知見を財産として継承する方法も模索しています。若手、中堅、シニアをつないでいくことで、それぞれがよりいきいきと働けるような環境づくりを進めていきたいです。

  • 「このままでいい」では停滞する。新しいことにも目を向けて

    太田さん
    新卒採用においては徐々に女性の割合が増えてきており、事務営業職では半々くらいになりました。当社は、女性にとって働きやすい環境であるため、定着率は高く、産休・育休の復帰率も100%です。復職の際は基本的に休業を取る前の部署に戻ることになっています。短時間勤務制度もありますが、職場の皆さんが「いってらっしゃい」「おかえりなさい」という感じで温かく迎えてくれることも、スムーズな復職を後押ししているのかもしれません。
    今は、基本的な諸制度は整っているので、先ほど挙げた風土改革のように、少しチャレンジしていこうという時期なのかもしれません。どんなに手を尽くしても、「このままでいい」とはならないし、それでは停滞してしまう。常に新しいことにも目を向ける意識を持ちたいですね。最終的には働きやすい環境下で、挑戦と変革を恐れない企業風土が実現できればいいと思っています。

    傳田さん
    職場いきいきアドバンスカンパニー認証のほか、健康経営優良法人にも認定され、地道な活動が実を結んできたと感じています。健康経営については従業員の健康は重要な経営資源の一つと考え、昨年「健康経営方針」をあらためて制定し、皆さんにも周知しました。最近、場内での喫煙は電子たばこのみになりましたが、喫煙者も非常に協力的で、コロナ禍ということもあって、一気に進みました。
    現在取り組んでいる、教育・研修制度の拡充や女性活躍の環境整備、シニア世代の多様な働き方を支援する制度なども、今後さらに充実したものにしていきたいです。