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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

「給料が良い、休暇が取れる、希望が持てる」新3Kを掲げ、100年企業へ
株式会社フジテック
1963(昭和38)年に創業したフジテック。公共事業の調査・測量・設計・点検作業を主業務としている建設コンサルタントとして、県民の暮らしに欠かせないインフラ整備を担っています。専務取締役の小林功さんにお話を伺いました。
  • 100年企業を目指すためには、働き方改革が必要

    当社は2012(平成24)年、創立50周年を迎えるタイミングで100年企業を目指した「レール作り」を決意し、働き方改革に取り組み始めました。しかし、当初は手探り状態。何をすればいいか分からず、社員にアンケートを取って、会社の良いところと改善してほしいところを聞いて一覧表にしました。その中で、目標としたのは「仕事と生活の調和を図り、社員が長く健康に働ける環境の整備」と「業務の効率化や生産性の向上により必要な利益と時間を確保し、健全経営が持続する働き方改革」の2つです。2017(平成29)年には、フジテック働き方改革実施方針を決定。2020(令和2)年6月にテレワークとスーパーフレックス制度を試行しました。建設業界は「きつい、汚い、危険」の3Kと言われていましたが、新たな3Kとして「給料が良い、休暇が取れる、希望が持てる」を掲げ、取り組みを進めています。

    コロナ禍を経て、2022(令和4)年度の実施率はテレワークが68%、スーパーフレックスが88%となっています。業務効率化が進み、残業時間の減少、有給消化率の向上などを達成できた反面、急な打ち合わせや迅速な対応ができなかったり、きめ細やかなOJTが難しかったりという課題も見えてきました。また、制度本来の目的を理解して、「正しく使う」ためにどうすればいいのか、経営陣と社員が共通認識を持つためにはある程度時間がかかりました。我々と社員、さらにチームで動いているということもあり、社員同士のコミュニケーションが大事だとあらためて感じました。誰でも自由に意見が出せるように目安箱も設置。社員からの声に対して素早く対応するのも、当社の社風の一つだと感じています。

    専務取締役・小林功さん
  • 社員の声に耳を傾け、各々の能力を活かせる環境を

    100年企業を目指すことは、次世代に自ずと目を向けることになります。育児休業規程は以前からありましたが、“昭和の空気”と言いますか、何となく取らない、というような雰囲気があったかもしれません。それを少しずつ払拭しようと、役員自らが育休取得対象者に、積極的に声をかけるよう努めました。一人取得すれば、それを当たり前だと思えるような空気感を醸成し、次に取得する人を促す。また、出産祝い金として100万円の支給も始めました。子育て社員を支える社風作りを進めてきた結果、育休から復職して活躍する社員も増えてきました。

    「人財」という言葉もある通り、社員は大切な財産です。一人一人が多様な能力を十分に発揮できてこそ、優れた成果を上げることができます。資格取得については、外部講師を雇用することで、年間通じて柔軟に対応してもらえるようにしていますし、外部研修の費用も会社で負担。資格取得一時金や資格手当も支給しています。社内表彰制度も設け、頑張った人をきちんと評価できるような仕組みも作っています。面談の機会を年2回ほど設け、スキルアップシートを活用して各々に合った人材育成方針を定めています。
    ここまで働き方改革を進めながら、会社としての考えも伝えるように心がけてきました。その考えを基に、全員が一丸となって…というのは理想ではありますが、現実としては難しい部分もあります。それでも、皆が同じ方向を向いて頑張っていけるように、これからも社員の思いに耳を傾けながら、柔軟に対応していきたいですね。

    60周年記念式典の様子