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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

職員を大切にすることが、豊かなサービスの提供につながる
社会福祉法人上伊那福祉協会
上伊那地域で特別養護老人ホームや養護老人ホーム、障害者支援施設などを運営している上伊那福祉協会。「穏やかで安心できる生活の実現を」を理念に掲げ、地域に暮らす人々が安心して生活できる環境の構築を目指しています。
法人本部サポートセンターのセンター長・原好子さんと、総務グループ採用担当・角敦美さんにお話を伺いました。
(写真は左:総務グループ採用担当の角敦美さん、右:常務理事の小林俊哉さん)
  • 研修プログラムを充実させたことで、ステップアップがイメージできるように

    原さん
    当法人では、2018(平成30)年4月に人材育成グループを設置し、研修体制の再構築を行いました。介護職員初任者研修をはじめ、一般職、指導者、管理職など階層別にグループ分けをして、年間で研修計画を作成。段階的に学ぶことができる教育プログラムと、着実にステップアップできるキャリアパス制度を用意しています。
    スキルアップの支援も手厚く、看護師、准看護師については、他職種から資格取得する際、取得後10年間継続勤務すれば学費を法人が全額負担(看護師通信は半額)。介護支援専門員については、資格取得後5年間継続勤務すれば、貸し付けの返済は不要としています。資格取得を奨励したことで、少しずつ合格者も増えてきました。

    角さん
    研修プログラムを充実させたことで、介護の知識や経験については入職後に身に付けてもらえばいいと考えられるようになりました。一昨年あたりから、介護の知識・経験のない新卒採用も積極的に行っています。その際、まずは3か月間、介護職員初任者研修を行って、7月から配属先で実務に入るようにしています。特に高卒で入職する方は、社会人になり立てで不安も大きい中、変則勤務でなかなか同期と顔を合わせる機会もありません。現場でOJTも行いますが、その前にまずは同期みんなで学ぶ時間を設け、基礎的な知識を身に付けるだけではなく気持ちにも余裕を持って仕事が始められるようにしています。また、中途入職でも、無資格の場合は勤務時間内に介護職員初任者研修を受講していただけるようにしています。
    今後は、コロナ禍で採用を見送っていた業種の求人も増えてくると思います。どうすれば福祉の仕事に目を向けてくれるのか、これまで以上に工夫しなければならないと感じています。

    総務グループ採用担当・角敦美さん
  • 職員一人ひとりの“働きやすさ”を考えていきたい

    角さん
    もともと育児休暇取得率は高かったのですが、近年、男性の取得も増えてきました。それぞれの事情に合わせて、ある程度長く取る人、週単位で取る人などさまざまです。施設によっては「配置が大変」という話も聞きますが、皆さん、スムーズに送り出してもらっているようです。職員同士の関係性がなせる業なのかもしれませんね。
    特に若い人にとってはこれからの働き方として、育休取得は普通のことになっていくと思います。育休から復帰する際は基本、休暇に入る前にいた施設に戻ることになっていますが、自宅や保育園から比較的近い施設で働けるよう配慮するなど、できる限り柔軟に対応しています。

    原さん
    介護業界全体の流れではありますが、当法人でも専門性の高い業務に人員を集中できるような体制を整えています。専門的な知識を必要としないような作業、例えば食事の配膳、掃除やシーツ交換などは短時間のポイント雇用を取り入れています。そうすることで、より幅広い人材が働くことができる。育休明けの短時間勤務や、今後増えるであろう介護休暇の取得にも対応できますし、高齢者や障がい者の雇用も生み出せます。
    職員一人ひとり、“働きやすさ”はそれぞれ違うものですが、法人として、どこまで働きやすい環境を用意できるのか、試行錯誤しながら取り組んでいきたいと思っています。

    研修の様子