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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

一つ一つの取り組みを続けることが、良い循環を生み出す
株式会社相模組
1918(大正7)年に創業し、100年超の歴史を積み重ねてきた相模組。本社がある大町市を拠点に、県内各地で建築、土木、住宅事業を柱とした事業展開をしています。代表取締役社長・蜜澤茂志さんと、取締役社長室長・相模悠貴さんにお話を伺いました。
  • 若手や女性、さまざまなキャリアを持つ人が活き活きと働ける環境を

    相模さん
    近年、力を入れていることの一つに新入社員の定着と育成があります。今はもう、「仕事はベテランの背中を見て覚えろ」という時代ではありません。新入社員に2、3歳年上の先輩社員が教育担当として付く、メンター制度を取り入れ、何か困ったり、悩んだりしたときに相談ができるようにしています。メンター役の先輩社員には教育担当手当を支給することで、より責任感を持ってやってくれています。5年ほど前から始め、今では教えてもらっていた社員が先輩となり、「今度は自分が後輩の面倒をみよう」と積極的にかかわってくれるようになりました。良い循環が生まれています。
    若手社員が増えることで、職場も自然と明るくなり、雰囲気が変わりました。インターンシップの担当も若手社員に任せています。参加する就活生にとっても、いろいろなことを気軽に質問できるし、若手が活き活きと働ける会社だということも伝わっているのではないでしょうか。

    蜜澤社長
    今までは建設業というと、女性には敬遠されることもありましたが、当社では男女関係なく、そして文系理系も問わず、採用しています。まだ多くはありませんが、土木建築共に女性の現場代理人もいます。今後はそういった人がモデルケースとなり、後に続く人を増やしていければと思っています。
    最近、60歳以上の新規雇用も行いました。もともと別の会社で現場代理人として活躍していて、本人が意欲的だったことが決め手になりました。20~30代の社員の中には、味噌作りをしていた人や、サッカースクールで子どもを教えていた人、スポーツジムを経営していた人など他業種から転職してきた人もいます。多彩なキャリアを持つ社員が、それぞれの経験や能力を活かせる環境を整えることで、会社の成長にもつなげていきたいですね。

    代表取締役社長・蜜澤茂志さん(左)と取締役社長室長・相模悠貴さん
  • まずは「社員の声」に耳を傾ける

    相模さん
    建設業界は、資格が重要視されます。当社でも試験の準備や受験にかかる費用の補助、合格したら資格手当を付けるなどの支援をしています。資格の取得は難しく、大変だとは思いますが、先輩社員が一生懸命頑張る様子を後輩社員は見ています。「次は自分も」というモチベーションになり、ここでも良い循環が生まれていると思います。
    最近は、若手社員が現場を担当することも増えました。どうすれば業務を効率的に進めることができるか、試行錯誤しながら取り組む姿や、先輩や同僚に負けないように切磋琢磨する姿を見て、頼もしく感じています。若手社員が国から表彰を受けることもあり、会社全体にとっても良い刺激になっています。

    蜜澤社長
    会社では、年に3回面談の時間を設けているほか、年に1回、匿名で提案できる機会もあります。面談は直属の上司と話すので、それとは別の形で、社員の思いを知ることができるようにしています。無記名なので、ときどき厳しい意見もありますけど(苦笑)。
    当社では、社員の意見を汲んで「これはやったほうがいい」ということを取り入れるようにしてきました。育児休業や介護休業の充実は、制度ありきではなく、社員の声を基に取り組みを進めた結果です。人材不足が課題となる昨今は、既存社員の離職を防ぐための努力が不可欠です。何か問題があって辞めるというのであれば、会社としてその問題を解決することで、働き続けられるようにしていきたい。そういう一つ一つの対応が積み重なって、制度が整い、働きやすい環境になっているのかもしれません。