企業・事業主の方

多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

自分の仕事、職場環境、そして地域。心に余裕ができれば視野は広くなる
高木建設株式会社
1934(昭和9)年創業の高木建設。道路、ダムなどの土木事業のほか、長野オリンピックの競技会場となったエムウェーブやアクアウイング、保育園や学校、病院や福祉施設など大型公共事業から、古民家再生、住宅の新築・リフォームまで幅広く手掛けています。社是に掲げるのは「信頼・挑戦・貢献」の3つ。働きやすい職場づくりをはじめ、女性活躍推進、環境保護、次世代育成などさまざまな取り組みも積極的に進めています。
常務取締役の髙木亜矢子さんにお話を伺いました。
  • いろいろな人と働いたほうが、きっと仕事は楽しくなる

    注力していることの一つは、障がい者・立ち直りの人・高齢者の雇用です。障がい者の雇用は、養護学校の生徒をインターンシップで受け入れたことがご縁になりました。できる仕事を新たにつくるのではなく、今ある業務の中でできることはないかと考え、今は、資機材の整備などを任せています。立ち直りの人については、更生保護雇用主会として以前から登録しています。何より本人にやる気があって、真面目に働いていますし、見守ってくれる人が周りにいることが再犯防止にもなっているのだと思います。受け入れる前には、社員に「こういうことをしていきたい」「こういう人が一緒に働く」ということを伝えますが、皆、明るく気持ちよく迎え入れてくれます。もともと地域貢献を掲げていることもあり、工事以外でも何かできればと考え、その一つとして取り組んでいます。いろいろな人と働いたほうが、仕事はきっと楽しい。皆で支え合っていける会社でありたいと思っています。

    再雇用については、定年を66歳まで引き上げ、各々に合わせた形態で継続して働いてもらっています。当社では70代がとても元気。まだまだ引っ張っていってもらいたいですね。健康経営にも力を入れていて、今年度は、健康診断に加えて体力測定も行ったんですが、平均年齢が高い割には良い結果が出ました。社員の健康は会社の財産。ここ数年は、「信州ACE(エース)プロジェクト」の一環である「働き盛り世代の『健康づくりチャレンジ大作戦』グランプリ」にも参加していて、日曜日に集まって皆でウォーキングすることもあります。

    常務取締役・髙木亜矢子さん
  • 普段からやっていることがSDGsにもつながっている

    現在、社員80名のうち、女性は12名。建設業の中では、割合は多いほうですが、今後さらに増やしていきたいです。業界としても女性を増やそうという流れがあり、私が所属している長野県建設業協会の女性部会でも力を入れています。その一環で毎年、地元の工業高校の女子生徒と話す時間があるのですが、建設業に就きたいという声は少ないのが現状。これまでの慣習もあって急には難しいかもしれませんが、それでも私は変えていきたいと思っています。当社では、現場に女性用トイレや更衣室を備えたり、作業服や安全具もより使いやすいものにしたり、女性特有の病気についてのセミナーやランチ会を開き、コミュニケーションの場を設けたりしています。また、労働災害や事故を防ぐための「社内安全衛生パトロール」には、資格所有者と一緒に事務職の女性にも行ってもらっています。現場のリアルを知る機会にもなるし、逆に現場慣れしている人にはない視点に気付くこともあって、お互いメリットがあります。

    「長野県SDGs推進企業」制度に登録した際に、17の目標と当社の取り組みを照らし合わせてみました。すると意外とスムーズに当てはめることができました。普段からやっていることが小さな一歩となり、全てにつながっていく。これからやりたいことも沢山ありますが、私から社員ではなく、社員同士が関わり合うことを増やしていきたいです。今は、社員間でコミュニケーションを深められるような新しい制度を導入する準備を進めています。お互いが協力しようという意識を持つことで職場環境はもっと向上するはず。自分の仕事、そして周りのことが良くなると、心に余裕ができて、さらに地域のことにも目を向けてくれるようになると思います。そうなると、理想的ですよね。