
当社で男性社員が育児休業を取得したのは、昨年が初めてでした。10年ほどさかのぼってみると、該当する女性社員はおらず、男性社員からは特に申し出がなかったので、会社としても具体的な運用を想定した準備まではできていなかった、というのが正直なところです。その男性社員が育児休業を希望したのは、産院で説明を受けたことがきっかけだったそうです。ちょうど、産後パパ育休制度が始まり、従来の育休と合わせて取得できることを知り、申請に至りました。社内では、取得にあたってどのような手続きが必要なのか、どのように対応すればよいのか分からないことが多く、社会保険労務士の方に相談しながら、ハローワークや年金事務所などに問い合わせて、一つずつ確認していきました。
同時に、社内でも育休取得について理解を深める必要があると考え、長野働き方改革推進支援センターに講師を紹介してもらい、研修を実施しました。役職者や工場長を対象に、制度の概要だけでなく、育休に対する考え方についても説明し、現場での受け止め方をそろえることを意識しました。研修後は、管理職から部下へと情報が伝わり、社内全体で育休に関する周知が進みました。
統括部管理課課長の小林貴恵さん昨年に続いて、今年も1人の男性社員が育休を取得しました。“昨年取得した育休の先輩”とは、もともと仲が良かったこともあり、事前にいろいろと相談しながら、アドバイスをもらっていたようです。制度の内容だけでなく、実例を知ることで、職場の雰囲気や復帰後の仕事の状況なども、より具体的にイメージしやすかったのではないでしょうか。
また現場では、育休の期間が分かったタイミングで仕事を調整し、特定の人に負担が偏らないようにしています。事前に見通しが立つことで、無理のない形で役割分担ができています。育休を取得した男性社員はいずれも、復帰後は大きな混乱もなく、スムーズに現場に戻ることができました。
前例ができたことで、次に申請を考える社員だけでなく、同じ部署の仲間たち、そして私たち統括部にとっても、対応の流れをイメージしやすくなりました。私自身も、今回は事務手続きを滞りなく進めることができました。今年は関連会社でも男性社員の育休取得があり、グループ全体で育休を取りやすい雰囲気が広がりつつあります。「制度がある」という状態から、「制度を知っている」人が増え、「相談できる」段階へと一つずつステップアップしてきたことが、育休取得の推進につながっていると受け止めています。今後も事例を共有しながら、育休を取得したい人がためらうことなく申請できる環境を整えていきたいと考えています。
