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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

出産や子育ては“お互い様”の気持ちが大事
有限会社アオキビルド
地元を中心に建築鉄骨の製造や、設計・施工を行う有限会社アオキビルド。「鉄骨のプロフェッショナル」として、住宅から店舗、公共施設まで幅広く手がけています。青木久隆社長と施工設計課のワヒュ ノフィヤント ウトモさんにお話を伺いました。
  • 外国で初めて出産する妻のそばにいたかった

    ワヒュさん
    私は2015(平成27)年の秋に、技能実習生として入って3年間働きました。一度、インドネシアに帰国して、再来日しようと思ったときに、新型コロナの影響でできなくなってしまいました。それで、予定よりも時間がかかってしまいましたが、2022年4月に入社しました。
    子どもが生まれたのはその翌年の夏です。「育休」という認識はありませんでしたが、妻と一緒にいたいと思って、その期間は休みたいと話をしました。妻は日本語があまりしゃべれないし、出産も初めてだったのでとても不安だったと思います。最初は出産に合わせて1週間、その後、少し間を空けて2週間、合わせて3週間の休みを取りました。その時は、自分だけが担当している仕事はなかったので、引き継ぎなどもあまりなく、スムーズに休めました。

    実際に休みを取れたことは、とても良かったと思います。やはり妻は大変で、赤ちゃんは泣くし、それでもずっと一緒にいないといけない。周りに頼れる人がいないので、インドネシアに帰りたいという気持ちもある中で、頑張っています。何か困ったことがある時には、会社にもいろいろ相談しています。子どもは今、1歳半。私が日本語、妻がインドネシア語で話しかけているので、両方の言葉をちょっとずつ覚えています。

    施工設計課のワヒュ ノフィヤント ウトモさん
  • 育休を取りたいと考えている社員がためらわなくてもいい制度を

    青木社長
    当社で男性社員の育休取得は、3人目になります。と、いっても1人目は10数年前のことで、どうだったかはもう覚えていませんが…。2人目の時は、工場で加工を担当していたので、同じ部署の人たちで作業を代わるなどのサポートをしました。
    男性の育休取得推進のために、特別何かをしているということはありません。今の世の中の流れとして、男女問わず希望があれば取れるようにしなければいけないと思っています。出産や子育ては“お互い様”の気持ちが大事。社員にも、周りの人たちでカバーし合って対応していこうと話をしています。

    今は、有給休暇の取得義務化など、国としても「休むこと」に重きを置いています。ただ、育休は補償制度はあっても、100%ではない。育休を取りたいと考えている社員でも、本当に休んで大丈夫だろうかとためらう気持ちが多少なりともあると思います。今回、ワヒュの場合も相談して、結果的には可能な限り有給を使いました。会社にとっても、誰か1人ならフォローできても、数人が重なってしまうと正直厳しい。当社の社員は外国人も多く、まとまった休みを取って国に帰りたいという要望も聞きます。時短勤務なども含め、社員にとっても会社にとっても、無理なく休んだり、家庭と仕事のバランスを調整したりできるような制度がもう少し整ってくればいいなと思っています。

    青木久隆社長

男性の育児休業取得推進ポイント

外国人の社員も今は単身で来ている人がほとんどですが、今後は結婚したり、子どもが生まれたりということも増えるかもしれません。そんなに大きな会社でもないので、託児所を設けるのは難しいですが、例えば子どもを連れて奥さんに会社へ来てもらって、1、2時間パート勤務ができるようにするのも一案です。社員の状況や、各々の要望によって、どういった対応が必要かを考えていきたいです。(青木社長)