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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

“いつでも、誰でも、何でも言える”風通しの良さを大切に
株式会社JVCケンウッド長野
株式会社JVCケンウッド長野は、JVCケンウッドグループのモビリティ&テレマティクスサービス分野の国内唯一の生産工場です。国内向けカーナビゲーションなどを手がけています。管理部部長の笠原盾さん、同総務人事グループグループ長の大槻美香さん、同グループ人事チームの桃原健司さんにお話を伺いました。
  • しっかりと休める体制を整え、ワークライフバランスの推進を

    桃原さん
    当社では、ワークライフバランスの推進として、しっかりと休めるような体制、環境を整えています。年間休日126日に加え、有給休暇は年間付与25日のうち8日の取得を義務としています。8日の内訳は、一斉有給休暇取得日が3日、計画年休が3日、それとは別に個人が自由に設定できる計画年次有給休暇が2日あります。これにより、プライベートな時間が充実し、「家族とゆっくりできる時間が取れる」「海外旅行ができる」という声も聞きます。未消化の有給休暇は年5日分を限度に累計40日まで積み立てることもできるようにしています。

    大槻さん
    育児時短勤務は、子どもが小学生の間、12歳まで取得ができます。ほとんどの女性社員は取得していて、私も取りました。復帰後も、半日有給休暇制度を活用して、子どもの学校行事に参加したり、病院へ連れて行ったりすることができました。子育てをしていると正直、休みは何日あっても足りないので、分割できるのは助かりましたね。
    当社の社員の平均年齢が45歳なので、現在は、子育てが終わって親の介護に徐々にシフトする社員が増えてきており、今年からは看護・介護時間帯有給休暇制度を導入して、時間単位有給休暇が取れるようになり、さらにやりくりがしやすくなりました。子育てだけではなく、親の介護を含めて仕事と両立できるような環境が整っています。

    笠原さん
    フレックスタイム制度は2010年に導入しました。コアタイムも以前は10時~15時でしたが、2024年度に11時からとなり、より柔軟な働き方ができるようになりました。繁忙期には残業もありますが、社員一人一人が自分で考えて、上長と相談しながら前後の週で早く帰るなどの調整をし、メリハリをつけて業務を行っています。
    水曜日の「ノー残業デー」は既に習慣化していますし、コロナ禍で本格的に導入したテレワーク制度も状況に応じて活用しています。残業が多いメンバーの業務管理は適切に行われているのか、この仕事は今日中にやらなければならないのか、ということを常に考えるというのは、当社の社風とも言えるものです。そういった意識や行動の積み重ねが、働きやすい環境の下地になっているのではないでしょうか。

    (左から)管理部部長の笠原盾さん、同総務人事グループグループ長の大槻美香さん、同グループ人事チームの桃原健司さん
  • グループ全体で取り組む「ものづくり人財の育成」

    桃原さん
    私は中途入社ということもあり、特に感じるのは当社の風通しの良さです。グループ全体の取り組みとして、役職名ではなく全員を「さん」付けで呼ぶようにしていることも、雰囲気の醸成に一役買っているのかもしれません。そういう会社の風土が現れていることの一つが、改善提案です。仕事上で、ちょっとやりづらいことや気になることは、以前は付箋のような紙に書いて、部署ごとに設けたスペースに貼れるようにしていました。最近は社内でオンライン申請をするように改善をしました。

    大槻さん
    いつでも、誰でも、何でも、気軽に言えるということが大事だと思います。提案は、各部署の改善推進委員が集計してまとめ、良いアイデアは実施します。ある部署では、電話の取次ぎで不在だったときに、これまでは付箋を貼って伝えていたことを、社内チャットに切り替えました。時間や紙の節約といっても微々たるものではありますが、そういう小さな積み重ねが、さまざまな改善のきっかけにつながっていくと考えています。改善提案は、件数や実施の度合いで半期に1回、表彰をしています。

    笠原さん
    現在、国内の主要生産拠点は長野、山形、長岡の3カ所あり、グループ全体で「ものづくり人財の育成」に力を入れています。業務の流れに沿って一つ一つの作業を書き出し、無駄や課題を見つけ、改善につなげる「巻紙分析」にも取り組み、まずは社内で発表し、1位になったチームが3拠点の総括会で発表し合います。グループ会社同士で、互いの会社を見学することもあり、気付かないうちに陥っている“拠点独自のやり方”や“暗黙のルール”を見直す機会になっています。
    今後の課題と感じているのは、業務の属人化の解消です。誰かが休むとなったときにフォローし合えるような体制にしなければならないというのは、どの部署も抱えている共通課題であり、率先して進めていかなければならないと考えています。