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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

社員と会社、そして地域が「三方よし」となるために
株式会社諏訪三社電機
三社電機製作所グループの一員として、主に電源装置の製造・販売を手がける諏訪三社電機。ATMやサーバー、産業用ロボット、医療用検査装置など幅広い分野で最適な電源機器の提案を行っています。代表取締役社長・大谷博之さんと、総務部総務課課長代理・西澤洋務さんにお話を伺いました。
  • 社員の声を聞きながら、“休みやすい”環境づくり

    西澤さん
    私たちのような製造業は製造ラインがあるので、昔から“自分が抜けると困る=休みが取りづらい”というような雰囲気があると言われています。今でも、全くなくなったとは言い切れないかもしれませんが、そういった雰囲気を少しでも解消していけるよう、さまざまな取組を行っています。
    有給休暇の時間単位での取得もその中の一つです。以前は半日単位でしたが、社員からの要望に応える形で、1時間単位で取れるようにしました。管理する側としては大変な面もありますが、利用する人が多く、時間の有効活用につながっているのではないかと思います。あらかじめ休む日を決めておいてもらう計画年休取得日は、年間で4日間あります。これは、事前に予定しておくことで休みを取りやすくするだけではなく、職場でも調整がしやすくなる。そうすると休む側も安心して休める、というメリットがあります。
    ノー残業デーは会社で月に2日設定していて、あとは各職場で1日設定しています。以前は水曜日にしていましたが、社員から週末のほうが翌日の仕事を気にせずゆっくり休めるという声もあり、現在は金曜日にしています。

    大谷社長
    当社は前身の会社から2016(平成28)年に分社して三社電機製作所グループの一員となり、2021(令和3)年4月、現在の社名に変更しました。「諏訪三社電機」は社員を対象にした公募で決まった名前です。創業5周年を迎え、これまで地域で築いてきた歴史や信頼という会社の資産を大事にしながら、新たなスタートを切りました。私はここへ来て3年になりますが、地域との距離の近さを感じる一方、新たな社名が地域に浸透するまでには時間がかかることも認識しています。これは、単に名前を知ってもらいたい、有名になりたいということではありません。社員がプライドを持って働けるような会社になれば、社員にとっても会社にとってもお互いに良い関係が生まれます。そうすることで、家族や友人などにも「諏訪三社電機」の名前が自然と伝わっていく。そこで「諏訪に三社あり」となっていけば理想的です。社員、会社、そして地域にとって「三方よし」となるようにしていきたいですね。

    代表取締役社長・大谷博之さん(左)と総務部総務課課長代理・西澤洋務さん
  • 世の中の流れについていくのではなく、一歩先の取り組みを

    西澤さん
    育児短時間勤務は小学校就学時まで、子どもの看護休暇は中学校就学時まで取得できるようにしています。育児休業については、復帰率は100%で、男性の育児休業についても3年前に1人、今年も1人が取得し、徐々に浸透してきていると感じています。今回取得した社員は営業職で、部署は10人。その中の1人ということで、カバーするのが難しいという声があるかもと思っていましたが、ネガティブな雰囲気は全くありませんでした。当社では比較的早い段階から育休取得を推進してきたので、育児や子育てに対する理解も深まり、根付いているのではないでしょうか。
    社員教育では、eラーニングを積極的に活用。カリキュラム一覧から希望する講義を受講できるようにして、空いている時間に学べるような仕組みづくりを進めています。新しく主任や課長代理になった人を対象にした階層別教育も行っています。

    大谷社長
    現在は60歳で定年、65歳までは嘱託で継続雇用を行っています。ただ、今の時代、60歳は通過点のようなもの。年齢だけで一方的に「ここまで」と区切るのは非常にもったいないですよね。積み上げてきた経験値やスキルを持っている方には、発揮できる場を用意したいですし、それは会社にとっても大きな財産です。もちろん本人が働きたいという意欲を持っていることが前提ですが、ベテランの技能が生かせるような環境を少しずつ整え、今後は雇用の延長も検討していきたいと考えています。
    私は世の中の流れについていくのではなく、「常に一歩先へ」という意識を大切にしています。5年、10年先を見据え、中長期の計画を立てて、これからもさまざまな取組を進めていきたいです。