企業・事業主の方

多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

社員それぞれに合うような選択肢を用意することが、会社の役割
セラテックジャパン株式会社
セラテックジャパンは、自動車部品やスマホの部品などに使われるファインセラミックスの加工に特化し、切断から研削・研磨・接合までワンストップでサービスを提供しています。目指すのは、先端技術を支える社員にとって「誇れる会社」。代表取締役社長・平林明さんと、取締役管理部長の竹森聡さんにお話を伺いました。
  • 会社全体のベクトルを、社員と共有できるように

    竹森さん
    当社は2006(平成18)年6月以降、女性の育児休業取得と職場復帰率100%を継続しています。育児短時間勤務は、子どもが小学校3年生まで利用することができますが、実際には急に休まなければならなくなることも多い。そんなときに、周りが自然と協力してくれる環境が不可欠だと考えています。「私のときもそうだったから」と言ってくれる人がいたら心強いですよね。当社はもともと女性社員の比率が高いのですが、「子育てしながらもっとチャレンジしたい」という人が増えてきて、その姿を見たほかの社員も感化される、という好循環が生まれているのだと思います。
    ここ1、2年は男性の育休取得も増えてきました。1週間から数カ月という短期間が中心ですが、仕組みがあるなら活用しようという若い人の感覚、考え方の変化を実感しています。

    平林社長
    会社としては、制度を整えればいいというものではなくて、雰囲気を作ることも必要です。例えば子育て支援について、「自分たちの頃はそうではなかった」と感じる社員も中にはいるはず。お互いの思いを知ることができるように、勉強会を開いて最近の状況を学んだり、社内行事やコンパなど、気兼ねなく話せる場を設けたりしています。
    当社は、リーマンショックの時に社員が130人ほどになりましたが、そこから徐々に増え、現在は2倍くらいになっています。人が多くなると、情報を共有するのも難しくなってきますが、会社全体のベクトルを合わせることが大事だと考えています。そこがずれてくると、業績悪化を招き、社内の雰囲気も悪くなってしまう。コロナ禍で、皆で集まる機会が減ってもどかしいですが、オンラインの活用も含め、方向性や価値観をしっかり共有できるよう努めています。

    代表取締役社長・平林明さん(左)と、取締役管理部長・竹森聡さん
  • 子どもが「親にも働いてもらいたい」と思える会社

    竹森さん
    採用活動をしていると、会社の存在感を高めて魅力を増さなければいけないと感じます。職場環境はもちろんですが、地域貢献など、社外の皆さんからも「良い会社だね」と思ってもらえるような活動も大切。ニュースに取り上げられるような、一過性のことだけではなくて、地道な積み重ねが回りまわって会社の評価につながります。
    当社では3、4年前から、社員が友人・知人を紹介するリファラル採用をしていて、親子で働いている社員もいます。「うちの母を紹介したい」というパターンも多く、「親に勧められる会社」と思ってもらっていることが、私たちにとっても非常にうれしいです。

    平林社長
    社員それぞれが、自分に合った働き方をできるような選択肢を用意することが、会社の役割だと思っています。多様性の時代と言われる昨今、こちらの思いを一方的に押し付けるようなことはできません。しかし、多様な働き方を実現するのは容易ではなく、本当にさまざまなことに取り組む必要があります。苦労して採用しても、社員を増やせば人件費が増え、生産性は一時的に下がります。その中で、売上を立てて利益を増やさなければいけない。これをやればOK、という単純な答えはありません。それでも、「他社がこうしているから」と追従するのではなく、一歩先を行くような行動を意識しています。2015(平成27)年、アドバンスカンパニーに初回認証された4社のうちの1社となり、その翌年には県内で初めてユースエール認定を受けることができました。先駆けて取り組んできたことは間違っていなかったし、制度ができたときにスッと手を挙げることができたのも良かったと思います。
    現在、社員の平均年齢は36歳。今後は社員自身の療養のための休職制度や介護休暇制度なども、より手厚くしていきたいと考えています。これからも少し先を見据えながら、さまざまな取り組みを推進していきたいです。