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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

社員が積極的に制度を活用できるように、環境を整える
高島産業株式会社
精密製造業の盛んな諏訪地方で、金属加工、セラミック加工、機械の設計製作などを手掛ける高島産業。近年は医療機器や自社製品の開発など、新たな分野のものづくりにも取り組んでいます。
代表取締役社長の小口武男さんと、総務課長の内田朋希さんにお話を伺いました。
  • 誰かがフォローできる体制をつくり、休みを取りやすく

    内田さん
    ほぼ全ての社員がフレックスタイム制度を利用できるようにしています。制度自体は10年ほど前から始めました。先立って半日有給を導入していましたが、子どもの授業参観や通院などでちょっと仕事を抜けたい、という人からは「半日も休みを取るのはもったいない」という声もあって。フレックスだと、2時間だけ休みたい場合は、仕事を抜けて戻ってきて、例えばその日のうちに1時間、翌日に1時間多く働けばいいので、融通が利くようになりました。
    それでも最初のうちは、「なんとなく休みづらい」という雰囲気があったので、まずは管理職を中心に意識を変え、社員に呼び掛けるようにしました。その結果、徐々に制度を使う人が増えて、今では9割近くの社員が活用しています。

    小口社長
    休みを取りやすくするためには、休んでも誰かがフォローできる体制を整えておく必要があります。当社では、多能工化を推進しました。一人一人が複数の業務に対応できるようにして、その内容をリスト化することで、「誰が何をできるか」を分かりやすくしています。「この仕事はこの人にお願いできる」ということを知っていれば、自分が休もうと思ったときに、スムーズに段取りもできますよね。
    また当社には、会社で定める年間休日の内に、バースデー休日が1日、フレックス休日が1日あります。土日とうまく続けて、旅行に行くという人もいます。制度、そして環境を整えれば、あとは社員が上手に活用してくれる。それが柔軟な働き方にもつながっていくと思います。

    茅野どんばん参加の様子
  • 会社が成長するヒントは、社員の声にある

    内田さん
    当社には労働組合があるので、毎月意見交換する場があります。それ以外にも、何か社員に聞きたいことがあるときは、アンケートを取るようにしています。ニーズがないことを一生懸命やっても意味がないですから。これまで、社員の声を取り入れて、トイレを和式から洋式にしたり、階段に手すりを付けたりしてきました。
    以前は座談会のような場を設けていましたが、最近はGoogleフォームで回答してもらっています。メールで一斉送信できるので便利ですし、無記名なので、社員も率直な意見を言いやすい。上司への不満もときどきありますが、仕事で辛かったこと、逆に嬉しかったこともあります。その中に、会社が成長するヒントもあると思っています。

    小口社長
    社員が感じていること、考えていることを遠慮なく言える会社にしたいですね。「伝えていこう」「良くしていこう」という前向きな姿勢は、社員の成長のベースになると思います。当社は技術の会社ですが、こちらから「技術を磨け」というのではなく、社員の「勉強したい」を後押しする、萌芽的な支援を心掛けています。
    実は、「職場いきいきアドバンスカンパニー」の認証は、ある社員が、私が知らないうちに申請を出してくれたんです。会社の良い面を積極的にアピールしていこうという気持ちを感じて、嬉しかったですね。これからは、立場や性別、国籍、障がいの有無に捉われることなく、一緒になって支えていく時代。どんな人にとっても働きやすい職場づくりに努めていきたいです。