黒岩さん
職員が効率的に働けるように、妊娠・出産・育児にかかわる支援制度の充実を図るとともに、復職がスムーズにできるような取り組みも行っています。院内誌を郵送して現状を伝えたり、復帰後は時短勤務をする職員が多いので、事前にどのような勤め方をしたいか面談で話し合ったりしています。育児休暇中の職員が、赤ちゃんと一緒に顔を見せに来てくれるのも当院ではよくある光景。事務手続きのほかに、子どもの検診や予防接種もあるので連れてきやすいのかもしれませんね。
保育所は院内と、隣にある「RAKO 華乃井ホテル」1階の2カ所にあります。どちらも地域枠を設けて職員以外の子どもも受け入れています。
永田さん
最近は育児休暇を取る男性も増え、男性に対して「珍しい」という感覚がなくなりました。休暇の期間は女性の方が長い傾向はありますが、手続き面で男女の違いはありません。夫婦で当院に勤めていて、交互に休みを取りながら子育てをしているというケースもあります。
もともと女性が多い職場なので、随時誰かが育児休暇に入っているような感じですし、出産も子育ても経験した先輩も多い。そういう背景と、歴代の担当者の努力があって、制度の利用が「特別」ではなく「普通」になってきたのだと思います。
永田さん
当院は、職種ごとに相談員役を担っている職員がいます。院内のメンタルヘルスチームが業務委託している外部の産業カウンセラーと必要に応じて連携をしながら、臨機応変に対応できる体制を整えています。
2年ほど前、当院長が「ハラスメントゼロ宣言」をしました。宣言だけでハラスメントがなくなるわけではありませんが、一人で抱え込まず、誰かに話せるような環境にはなってきていると感じています。プライバシーへの配慮もあるので、試行錯誤しながらではありますが、「話してみよう」という人が増えればいいと思っています。誰にも言えず、悩んだ末に黙って辞めていくという悲劇は避けなければなりません。事前に防ぐという面で、ハラスメント研修などを実施し、話し方や接し方について見直す機会も設けています。
黒岩さん
研修はeラーニングが主流です。階層別に期待される役割に応じて、どの研修を受ければいいのかを分かりやすくしています。資格取得補助についても、挑戦の後押しをしています。
コロナ禍、多くの励ましや支援をいただきましたが、特に感染が拡大し始めた頃は、心ない言葉を投げられたという職員もいました。そこで専門のメンタルサポートチームも立ち上げて対応を行いました。フェイスシールドが足りないときには、協力して手作りし、メッセージと一緒に必要な職員に渡したこともありました。
今はまだ、直接触れ合うような活動は難しいですが、今後はアロマテラピーなど、癒しを提供できる場も増やしていきたいと思っています。