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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

男性の育児休業取得促進を社長が明言!“本気度”を伝える
株式会社南信精機製作所
株式会社南信精機製作所は自動車・スマートフォン・家電・情報機器・航空機など、多様な部品の開発・製造を手がける電子部品メーカーです。「無限の可能性への挑戦」をモットーに海外事業も含め幅広く展開しています。総務課の小林公好課長と、技術部設計開発課の班長・福澤涼甫さんにお話を伺いました。
  • 「三者面談」で、上司としっかり話す場を

    小林さん
    当社で男性社員の育休取得推進に力を入れ始めたのは2018(平成30)年頃です。国から助成金が出るということもあって、会社としても推進していく方針となり、朝礼で社長から話がありました。その頃はまだ男性の育児休暇取得率は5、6%という時代で、社内でも取りづらいというよりは、「取らなくてもいいか」という感じでしたね。
    取得促進のために、課題になっていると考えたのは、休んでいる間のフォロー体制です。そこで、男女問わず育休を取得する社員と、その上司、私の3人で面談をするようにしました。取得する社員は少なからず「周りに迷惑をかけてしまう」という気持ちがあります。その不安の解消になればと、私も交えて上司としっかり話ができる場を設けました。面談をしていて、この数年で上司の理解が進んだと感じています。「希望している人は皆、育休が取れるようになったほうがいいよね」という空気になってきました。

    現在、男性社員は4週間取得する人が多いです。長期で休むとなると、課題になるのは収入面。実際に育休を取得した場合に給与はこのくらい、助成金はこのくらい、といったシミュレーションも行っています。「実際の手取り」がいくらなのかが分かれば、安心してくれる社員も多いです。
    育休を取得する社員が増えてくるほど、フォローする周りの社員の負担をどうするのかが問題になってきます。業務に支障をきたさないように段取りはできても、実際に業務を受け持つ社員からすると、「仕事が増える」ことに変わりはありません。現状、これといった解決策はないのですが、いろいろと検討をしているところです。人によって生き方はそれぞれなので、不公平感が出ないような工夫をしていければと思っています。

    総務課の小林公好課長
  • 気持ちをフォローしてもらえたことで、安心できた

    福澤さん
    私が育児休業を取得したのは今年の6~7月、4週間ほどです。同じ部署で育休を取得した“先輩”社員がいたこともあり、子どもが生まれることが分かってから、あまり迷うことなく自然と育休を取ろうと思いました。同世代の社外の友人と話していると、育休を取得した人の中には、「取ったけど、うちは休みづらかった」という人もいます。子どもができたら取りたい、という人も多く、男性も育休を取るということが特別ではなく、普通のことになってきていると感じています。

    実は育休に入る直前に、管理職に昇進しました。そうなると、「休んでも本当に大丈夫かな…」という気持ちも芽生えてきたのですが、仕事面については三者面談で上司と話せたこと、収入面についてはシミュレーションで手取り額がだいたい分かったことで、不安はかなり減りましたね。そういう気持ちの面でもフォローをしてもらえたことが、良かったと思います。

    技術部設計開発課の福澤涼甫さん

男性の育児休業取得推進ポイント

会社として男性社員の育休取得を推進する、ということをはっきりさせることが大事だと思います。当社の場合は、社長が明言してくれたのと、これまで出していた出産祝い金を見直して、増額したことで、単にポーズだけではなく、本気だということが伝わったのではないでしょうか。それが社員の意識も変え、雰囲気の醸成につながったのだと感じています。
(小林さん)