染野愛実さん(おそめ)
当社において男性の育休取得の原点は、さかのぼること2008(平成20)年。社長の井手が就任前に、子どもが生まれるにあたって育児のために5日間、年次有給休暇を活用しました。これが「育児のために休みを取ってもいい」という考え方の出発点になっていると思います。その翌年、男性社員が初めて育休を取得。当時の男性育児休業取得率は1.72%(2009年度厚生労働省雇用均等基本調査)で、まだ珍しい時代でした。それからしばらく間が空きましたが、2018(平成30)年からはコンスタントに取得者がいます。会社としては、対象者に制度の説明をしっかりして、最終的には本人の判断に任せるというスタンスです。管理職に向けては説明会を開き、「育児休業は職場の業務を見直し、風土を改革するチャンス」という捉え方を広めています。
日頃から、何かあったときにはすぐに話せるような雰囲気をつくりたいと、当社では社員同士のコミュニケーションを大事にしています。また、業務はなるべくチームで取り組み、誰かが休んでも他の人がサポートできる体制づくりを進めています。その結果、社員も「休みたいときにはちゃんと休める会社」という認識をしているのではないでしょうか。年次有給休暇の平均取得率は90%以上ということもあり、育休取得についてもその延長線上として、「取りたい人はちゃんと取れる」という状態になってきていると思います。
齋藤優人さん(ファーラー)
私は2022年に子どもが生まれて、産後パパ育休と育休2回、計3回取得しました。子どもが生まれたらそれこそ授乳以外は何でもしたいと思っていたので、自然な流れでしたね。私が所属するユニットはその頃、結婚や出産などのライフイベントを迎える社員が多く、子どもができたと言ったら「育休取るの?」「こういう準備をしておくといいよ!」と皆が声をかけてくれました。比較的、定常業務が多いこと、また普段から業務標準化を意識していたこともあり、ユニット内でサポートできる仕組みが整っていたのも、良かったと思います。上司は「育児も立派な仕事だよ」と言ってくれて、休んでいる間は本当に育児に専念できました。
当社では、育休に入る前や復帰後に、積極的に情報発信してくれる人が男女問わず多いです。そのおかげで「育休ってこういう感じなんだ」と事前に知ることができました。私も関係する部署などには、「これくらい休む予定です」と事前に連絡し、復帰後は育休中の様子も含めてメールで報告しました。そうすると、「子どもの写真、見せて!」と言ってくれる人や、育休について尋ねてくる人もいて、コミュニケーションが広がりました。社内でも「子育て中」だということが自然と認識されて、例えば急に保育園から連絡があって子どもを迎えに行かなければならないことがあってもスムーズに動けましたね。部署を越えて、同じくらいの子どもがいるスタッフ同士で情報交換もできる。子育てに対する理解者が周りにたくさんいることは、本当に心強いです。