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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

社員一人一人が、自分の仕事に誇りを持てるように
株式会社タジマ
1951(昭和26)年創業の株式会社タジマ。半導体、航空宇宙、産業機器など幅広い分野で、ニーズに対応した高精度・難加工の高付加価値な製品づくりを行っています。取締役総務部長の田島徹さんと、総務部の平原静江さんにお話を伺いました。
  • 対面でもオンラインでも、気軽にコミュニケーションが取れる工夫を

    田島部長
    私は、「どのような仕事をすればその人が活躍できるか」ということを一人一人に対して検討する姿勢が大事だと考えています。年に2回、全社員を対象に個人面談を行っており、社員本人と所属長、そして私が同席して話をします。正社員は80人ほどですが、このくらいの規模だと、工場内を歩いていてもほとんどの社員の顔が分かるし、仕事内容も把握できる。面談でも上司との会話を聞いていれば、その社員が部署で担っている役割や、どういう期待をされているのかが分かりますし、本人が普段からどんなことを思いながら働いているのかも感じ取れます。
    また、オンラインでのアンケートも実施しています。全社員を対象に2週間に1回、「この2週間の気持ち」を晴れ・曇り・雨というバロメーターでだいたいどの位置になるかを答えてもらっています。「気軽に送る」という状況を作っておくことで、何か言いたいことがあれば一緒に伝えてもらうこともできますし、社内全体の雰囲気を理解するためにも役立っています。このような取り組みを通じて、社員が感じていることや抱えている問題を早期にキャッチし、必要な対応を迅速に行えるようにしています。

    平原さん
    現在、育児休暇取得後の復帰率は100%です。復帰後も就労しやすいように、状況や希望を聞いて、各々に合った勤務体系を調整しています。規則上では、お子さんが3歳になるまで時短勤務が可能ですが、それに捉われず柔軟な対応を心がけています。ほかにも、始業時間は7時55分ですが、1時間は遅れても終業時間をずらせばOKにしています。これも、社員からの「保育園に預けてから出社しても間に合うようにしてほしい」「(工業団地にあるため)渋滞する時間を避けて出社したい」という声から、実現した取り組みです。

    総務部の田島徹部長(左)と平原静江さん
  • 社員の話を聞くこと、会社の考えを伝えること、どちらもバランス良く

    田島部長
    当社の創業は1951(昭和26)年。時が経つにつれて、会社の原理原則、ルールといったものはある意味、形骸化してしまいます。当たり前のことであればあるほど、それを意識するのは難しいですよね。私が入社したのは8年ほど前になりますが、まずは仕事で高いパフォーマンスを発揮できるように、もともとあるものを見直して土台固めをすることから始めました。基本を再認識した上で、今の時代に合わせて少し柔軟性を持たせていくイメージです。
    また、経営陣が社員に向けて、より分かりやすい発信をすることも意識しました。社員の声を聞く機会を作ることも大事ですが、聞くだけではなく、会社としてどのような方針があるのかを伝えることも大事です。それにより、皆が同じ方向を見ることができるようになる。社員と向き合い、コミュニケーションを図ることで、働きやすい環境づくりを進めていこうとしていることが、社員にも伝わってきているのではないでしょうか。
    今後は、社員の家族を招いて、どのような職場で仕事をしているのかを見てもらう機会を設けたいですね。家族の皆さんの、会社に対する信頼感を高めることにもつながりますし、何より社員が自分の仕事に誇りを持てるようになる。会社を案内できるようなイベントなどを企画していければと考えています。

    平原さん
    以前は、地元出身の社員が多く、わざわざ言葉にしなくても分かり合える部分もありましたが、最近は県外出身や外国人の社員が増えてきて、コミュニケーションの取り方や仕事の進め方にも変化が求められています。普段の会話をはじめ、掲示物の言葉を誰にでも分かるような表現に改めるなど、各部署で工夫して取り組んでいます。
    今後、さらに多様性が高まる中で、一人一人の社員が「うちの会社はこういうことをしています」と自信を持って語れるようにすることが、大切になると思います。