企業・事業主の方

多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

「申し訳ない」ではなく「ありがたい」と思えるような環境づくりを
飯田ヂーゼル株式会社
1959(昭和34)年創業の飯田ヂーゼル株式会社。機械の専門家として軽自動車からバス、トラック、大型建設機械までエンジン搭載車両・機械のメンテナンスを行っています。建機事業部長の舘野陽一さんと、飯田支店サービス営業課長の佐々木伸さんにお話を伺いました。
  • “地域全体での子育て”を意識している会社にとって、社員の子育てもその一環

    舘野さん
    当社では働き方改革を受けて、残業時間の削減などワークライフバランスの促進により力を入れるようになり、育児休業や短時間勤務についても、男女問わず取得しやすい環境づくりを進めてきました。以前から、地域のクラブ活動やPTA活動への支援、小中学生の職場体験の受け入れ、学校のグラウンド整備への機器の貸し出しなど、「地域全体での子育て」を意識した取り組みを続けています。子どもがいる社員に対しては、学校行事や地域活動などへの参加を推奨しています。2022年の法改正をきっかけに、男性社員の育休取得にも注力するようになりましたが、背景には子育て支援の一環として、さまざまなサポートをしたいという思いがあります。

    当社では普段から、お客様に対して担当を2人付けるようにしています。何かあったときにはもう1人が対応できるようにしておくことで、お客様にも安心していただける。誰かが育休を取得した場合も、状況が分かっている担当者がいるので、ほかの社員やサービス現場の担当者もフォローがしやすいのではないかと思います。
    育児休業を取得して、ある程度の期間休むとなったときに、「周りに申し訳ない」という気持ちになる社員もいるようですが、もし私が今、同じ立場だったら、積極的に育休を取っているのではないでしょうか。私が若い頃は、会社9割、家庭1割といってもいいくらいで、休むという発想が全くない時代でした。今はせっかくこういう制度があるのだから、休みたいと思ったら、遠慮なく休んでもらいたいですね。家庭と仕事、どちらも大事にできるように、会社としても環境を整えていきたいです。

    建機事業部長・舘野陽一さん
  • 育休を取る人も、周りの人も、お互いが気持ちよく過ごせるように

    佐々木さん
    私が育児休業を取得したのは2年前。ちょうど2022年10月の法改正直後でした。上に子どもが4人いて、これまで育休を取ったことはなかったんですが、今回双子が生まれることになり、これは上の子どもたちも含めてしっかり面倒を見ようと思って、3カ月間の育休を申請しました。当社で男性社員の育休取得は私が初めてでしたが、上司に相談したところ、仕事を一緒に調整したり、疑問や不安を感じる点については調べてくれたりと、皆さんの協力もあって、スムーズに準備を進めることができました。
    私の後にも1カ月ほど育休を取得した男性社員がいますし、若手社員に相談されることもあります。皆、気になっているのはやはり補助金などお金の問題ですね。ただ、私が実際に育休を取得して感じたのは、その時にしか見られない子どもの表情を見られることはとても貴重だということです。自分もこれだけ長く休んだのは初めてなので、多少不安はありましたが、やはりかわいい時期を一緒に過ごせたことは、本当に良かったと思います。

    子育て中は、何かと急に休まなければいけないことが多いものです。当社は、子どもを病院に連れていくなど急な休みにも周りが温かく対応してくれる雰囲気があるので、育児休業も取得しやすかったように思います。育休を取ることをお客様に伝えた際は、概ねご理解いただき、「育児、頑張ってね」と声をかけてくださった方もいました。今の世の中、男性の育休取得について、理解が広まってきているように感じます。今後、育休を取りたいという社員も増えていく中で、取る人も、周りの人もお互いが気持ちよく過ごせるような環境づくりがより必要になっていくのではないでしょうか。

    飯田支店サービス営業課長・佐々木伸さん

男性の育児休業取得推進ポイント

育休に限らず、普段から希望した時にちゃんと休みを取れることが大事です。もちろん私が休んだ分、仕事が増えてしまう人がいるので、そのあたりをうまくフォローし合える仕組みがあればいいのですが、なかなか現実では難しい部分もあります。それでも例えば朝、急に休まなければならなくなったときに、「申し訳ない」ではなく、「ありがたい」と思えるのが理想的ですね。そのためには、社員同士の関係性も大切だと思います。(佐々木さん)