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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

育児休業をきっかけに、取得した本人も会社も成長!
株式会社ロイヤルオートサービス
新車・中古車販売、整備、車検、鈑金、レンタカー、保険代理業などカーライフをトータルサポートする株式会社ロイヤルオートサービス。執行役員コーポレートサービス本部長CAO兼経営総務部の小澤幸司部長、RTSモビリティリテール事業部の野村光希部長、ロイヤルカーステーション松本出川店の松木勇太店長にお話を伺いました。
  • 社員が育休を取得することは、会社にとってもメリットがある

    野村部長
    当社で男性社員が初めて育児休業を取得したのは2022年です。夫婦共に県外からのIターンで、近くに頼れる人がいないので、1年間の育休取得を希望していました。その社員が整備士という技術職だったこと、さらにある程度まとまった期間ということもあり、人員の補充が難しく、調整するのは大変でしたが、これをきっかけに後に続く人が出てきました。会社として育休取得を支援しているということは、社員にも伝わってきていると思います。
    主要メンバーが一定期間いなくなる、と捉えると、職場にとっては負担が大きいように感じるかもしれませんが、だからこそ生まれるものもあります。一丸となってやろうという団結力や、各々の責任感など、会社にとってメリットとなるものがたくさんある。育休を取得する本人にとっても、休みを取る際に「会社が承認してくれた」「周りがサポートしてくれた」と感じた気持ちが、戻ってくるときのモチベーションになります。

    社員に対しては、「自ら考えて行動する」ということを大切にしてほしい。育休取得=単に業務を引き継いで休む、というのではなく、自身のプライベートの幸せな状態と会社の幸せな状態、両方を考えてもらい、それを両立する方法にも思いを巡らせてもらいたいと考えています。もちろん簡単な話ではないですが、そこから会社としてどういうサポートが必要かなどを話し合いながら、一緒に設計しています。育児休業を取得した後、本人も会社も成長している状態を目指しています。

    RTSモビリティリテール事業部の野村光希部長
  • 育休から復帰した時、皆の成長を感じて嬉しかった

    松木さん
    私は第2子が生まれるにあたり、育児休業を2カ月間取得しました。3年前、第1子が生まれるときには、まだ男性社員で育休を取得した人がいなかったこともあり、自分も特に希望はしませんでした。ただ実際、生まれてみると大変で、今回は妻とも相談して取ろうと決めました。既に男性社員で育休取得した事例があったとはいえ、その時は店長という立場だったので、申請する際には不安もありました。今だから言えますが、もし育休が取れなかったら会社を辞めるくらいの気持ちでした。部長からは意外とあっけなく「いいよ」と言われましたけど(笑)。

    引き継ぎについては、妻の妊娠が分かった時から意識して、副店長と半年ほどかけて進めてきました。具体的な業務というよりは考え方を中心に、一緒に資料を作ったり、お店の方針を共有したりしながら、時間をかけて話し合ってきました。育休に入る前に「自分がいなくても皆でオペレーションができること」と「副店長が次のステップとして店長昇進を意識してくれること」の2つを目標にしたんです。育休の間も、週1回は連絡をもらっていたので、現場から離れていても、会社の方向性やお店の状況を把握できていました。それもあって、復帰した時はブランクを感じることもなく、むしろ皆の変化が分かって嬉しかったです。スタッフが自発的に考えて動いてくれることが増え、副店長も頼もしくなった。私の育休取得が、お店の成長のきっかけになったことが良かったと思います。

    ロイヤルカーステーション松本出川店の松木勇太店長

男性の育児休業取得推進ポイント

社員の育休取得を「いなくなった人の穴を埋めなければいけない」と思うのではなく、「取得する人も周りの人も成長できる機会」と捉えられるかどうかが大事です。
当社の場合、最初に育休を取得した男性社員は1年間で「家事を一通りできるようになる」「自動車検査員の資格取得のための勉強をして、復帰後は試験を受ける」ということを目標にしていました。また、松木店長とは別の男性の店長が2カ月間育休を取ったときには、野村部長がその店舗の工場長とマネジメントや仕事について隔週で1対1の勉強会を開きました。店長が育休から復帰する頃には、工場長は「店長になりたい」と目標ができ、それを聞いた店長も成長ぶりを喜んでくれました。
育児休業を、取得する人も、周りの人も、お互いが「良かった」と思えるような期間にしていければと思います。(小澤部長)