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多様な働き方制度導入企業インタビュー

多様な働き方制度導入企業インタビュー

意欲的な人が、元気に働ける環境をつくりたい
株式会社小宮山土木
1974(昭和49)年の創業以来、まちづくりを担ってきた株式会社小宮山土木。ダム、水路、上下水道といった生活インフラ整備や、橋梁、トンネル、道路などの交通インフラ整備、建設工事など幅広く携わっています。総務部の小宮山聡次郎さんと衛生委員の小宮山陽子さんにお話を伺いました。
  • 子育て支援を中心に、幅広い世代のニーズに応じる

    小宮山聡次郎さん
    建設業は10年ほど前から女性の活躍が鍵になると言われ、定着促進に向けた行動計画が策定され、官民一体で取り組んでいます。当社では、本人の希望があれば男女問わず、現場で積極的に仕事を任せるようにしています。3年前に初めて女性社員が育児休業を取得しました。彼女は現場作業員として頑張っていましたし、本人の希望もあったので、会社としては応援するような気持ちで働き続けられる環境を一緒に考えてきました。男性の育児休業はまだ希望者がいなくて、実績としてはありませんが、1人取れば、後に続く人が出てくるのではないかと思っています。
    また当社では、子どもが18歳までは育児手当、18歳~大学卒業までは学生支援手当を出して、育児に関する経済的負担をサポートしています。「子育てしていて一番お金がかかるのは大学生」という声から、15年ほど前に制度ができました。現在は子育て支援が中心ですが、今後は介護を対象にした支援も整え、幅広い世代のニーズに応えていきたいと考えています。

    毎年、地元の高校に出向いて会社説明をする機会があり、生徒の皆さんと話して感じるのですが、やはりまだまだ建設業に対しては、ハードで厳しい仕事という印象が根強いです。そういうイメージを払拭したいのですが、生徒本人には直接説明ができても、親御さんまではなかなか難しい。それでも、いわゆる「昭和の時代」の建設業と、今は全く変わってきています。休みもあるし、女性も活躍しているし、今後はDXによる省人化・省力化によってどんどん進化していく仕事です。そういう魅力を伝えると、「面白そう」と興味を持ってくれる生徒も多いですよ。

    総務部の小宮山聡次郎さん
  • 「体が資本」だから、常に健康を意識できるように

    小宮山陽子さん
    今、当社を支えているのは、50代後半から60代の社員です。会社としては「辞めてもらっては困る」という気持ちもありますが、意欲的な人が元気に働けるように応援したいというのが本音です。2021年からは4年連続で「健康経営優良法人」に認定されています。年1回の健康診断の受診、ストレスチェックの実施、インフルエンザのワクチン接種の補助のほか、スマートウォッチや空調服の購入補助を行っています。健康管理は日頃の心がけが大事なので、普段から社員が意識して取り組めるように会社としてサポートしていきたいと考えています。
    毎月、給与明細と一緒に渡している社内報では、健康に関する情報を掲載しています。社員だけではなく、家族も一緒に健康について考える機会になればと3年ほど前に始めました。健康は個人の問題とはいえ、生活を共にしている家族のサポートは大きいです。社員へのインタビューや産業医の話などを紹介しているのですが、身近な人のエピソードは、意外と響いて刺激になることもあるようです。「インタビューしてほしい」と言ってくれる社員もいますよ。

    社員がベテランと若手で二極化が進む中、先輩が若手をフォローしたり、若手同士で気軽に話せたりするような場を設けて、アットホームな雰囲気づくりを心がけています。それぞれ現場が違い、現場へ直行直帰する場合が多く、なかなか皆と顔を合わせる機会は少ないですが、なるべく社内にいるときにはこちらからコミュニケーションを図るように意識しています。何気ない会話でも、「気にかけてくれている」と思ってもらえることが大事なのではないでしょうか。
    普段なかなか会えない社員同士が交流を持てるように社内行事として、年に1回の研修旅行や、ボウリング大会、山登りなどを企画して、交流の場を設けています。留学生や技能実習生の採用も行っており、今後はさらに多様な人材が働ける環境が求められると感じています。大きな規模の会社ではないからこそ、柔軟な対応をしていきたいですね。

    7月に行われた50周年記念式典の様子